帝王切開〜回復早める5つの秘訣〜
帝王切開、回復早めることはできるの???
- 帝王切開とは
帝王切開(ていおうせっかい)は、通常の自然分娩の方法ではリスクが高い場合や予定された手術的出産の方法として行われる医療手術の一つです。
この手術では、母体の腹部と子宮に切開を行い、子供を取り出します。現在の日本においておよそ5人に1人が帝王切開による出産となっています。
- 帝王切開の種類
①予定帝王切開
予定帝王切開は事前に計画された手術です。妊娠中や出産前に母体や胎児の健康状態を確認し、自然分娩がリスクを伴うと判断した場合や、既に過去に帝王切開を経験した女性に対して予定帝王切開が選択されます。
通常は、予定された日時に手術が行われ、外科医や産科医、麻酔科医などの専門家が手術を実施します。
②緊急帝王切開
緊急帝王切開は予期せず出産が急を要する場合に行われる手術です。通常は、母体や胎児の健康状態が突然悪化したり、自然分娩の進行が予期せず困難になった場合に行われることがあります。
例えば、胎児の心拍数が異常になったり、子宮内窒息などの合併症が発生した場合、母体が出産に耐えられない状況になった場合などが挙げられます。
帝王切開のあと、回復を早めるにはどうしたらよいか?
帝王切開で出産した場合、手術の傷の回復と産後の回復を合わせて行うことになります。 出産後の体を早く回復させるためにできる工夫をまとめてみました。
①傷口を軽く押さえて動く
手術の傷の痛みは傷口が引っ張られたり圧がかかることで強くなります。清潔なタオルやガーゼを傷口に軽くあてて押さえながら体を動かすと痛みも軽減しますし傷の回復も早くなります。
咳が出る時や排便の際は特に軽く押さえておきましょう。
②体を捻らない
体を捻らないで動くようにしましょう。寝る時は抱き枕を脚に挟んで抱きながら、上半身と下半身を一緒に動かすようにして寝返りをしたり起き上がったりします。
この工夫をすれば傷口の痛みが軽減しますし痛みも落ち着きます。
③栄養のある食事を摂る
体の回復を早めるために葉酸を多く含む食材を使った食事を摂りましょう。
納豆・わかめ・ほうれん草・春菊がオススメです。 葉酸の吸収をよくするために亜鉛・ビタミンB・ビタミンC群を一緒に摂ることも意識してみてください。
④骨盤矯正
切開した傷口がしっかり塞がったら骨盤矯正を始めましょう。目安としては産後2~3か月くらいです。

帝王切開の場合、赤ちゃんが産道を通るわけではありませんが、妊娠中に分泌されるリラキシンというホルモンの影響で骨盤は出産前よりも開いた状態になります。
傷口の治り具合と体力の回復具合によって骨盤矯正を始めるタイミングは変わってきますが、産後6か月を過ぎると骨盤周りの靭帯が固まってくるのでそれまでに始めるとお体の回復が早くなります。
⑤骨盤ベルトを付ける
妊娠中は骨盤が開き、筋力が低下します。産後の開いた骨盤をそのままにしておくと腰痛・便秘・肩こりなどの不調がおきて体の回復がどんどん遅くなってしまいます。
産後直後からでも使用できる骨盤ベルトが色々ありますので先輩ママや助産師さんなどからアドバイスしてもらって使用するとよいですよ。
骨盤ベルトを付けることで傷周りの皮膚や筋肉が大きく動かなくなるので傷の治りが早い、という効果も期待できます。
ただ、骨盤ベルトを巻き続けると、腹筋、背筋などが落ちてしまうため、産後6か月くらいまでの使用にしましょう。
回復を早めるために一番大切なことは?
帝王切開は腹部の切開手術があるため、普通分娩よりも体の負担は大きいです。産後は自分の体の回復を優先的に考えましょう。
家事や育児を頑張りすぎないのがとても大切です。家族・友人・産後サポート事業・ファミリーサポートなど協力してもらえるのであれば是非お願いしましょう。
1人で頑張りすぎない事が一番大切です。